若手社員がメインプレイヤー(一人前)に 成長するために必要な5つの基本

毎年4月に入社する新人に対する期待は大きいものがあります。しかし教育のみならず、あらゆる経験を通して期間を掛けて徐々に成長していきます。以下の4つのステージは若手社員の成長のステップと、担うべき役割を示しています。

 1.スターター(Starter/社会人)

  ビジネスの基本を身につけ、組織の一員となる段階

 2.プレイヤー(Player/ひとり立ち)

  任された仕事を一つひとつやりきりながら、力を高める段階

 3.メインプレイヤー(Main Player/一人前)

  創意工夫を凝らしながら、自らの目標を達成する段階

 4.リーディングプレイヤー(Leading Player/主力)

  組織業績と周囲のメンバーを牽引する段階

そこで、入社2~3年の社員が、プレイヤーからメインプレイヤー(一人前)に成長するために必要な5つの基本について考えてみます。

1.積極的な行動力

企業では受け身の姿勢の人は正直要りません。

大手企業の工場であれば、日々同じような組立てや加工、検査といった定型作業を黙々とこなすことも多く、受け身の姿勢の人であっても必要とされます。

しかし多品種少量生産型の中小製造業では、一つ一つの生産ロットが小さく生産品目が多岐にわたったり、また一人の作業者が一つの工程だけでなく複数工程をこなす必要があるなど、多様な生産業務をこなすことが若手社員でも求められることが多々あります。ですから、受け身でなく、積極的に行動する力が求められることになります。


2.原理や仕組みなどの本質を知る力

与えられた作業を何も考えずに黙々とこなすだけの人は成長しません。難しい材料力学や化学など全てを理解する必要はありませんが、せめて自分が担当している作業に関係することの原理や仕組みを先輩に教えてもらい、また自分自身で考えることで品質不良発生時などに根本解決策が見つかりやすくなります。


原理や仕組みを知ることは、品質管理の理解につながります。品質管理の考え方は、どの仕事にも共通ですから、今担当している仕事を通して原理や仕組みを知ることができれば、以後どんな仕事についてもやっていけることを意味します。


3.前後工程、だけでなく工場全体を理解する力

新人・若手社員は、自ら前後工程、あるいは工場全体に興味を持ち、現在担当している工程とのつながりや違いなどを休憩時間などに先輩社員に少しずつ教えてもらうようにします。

このような前向きな取り組みをすることで、現在の工程における生産性向上や原価削減のアイディアが生まれたりします。


4.ミスをしない工夫と努力

ミスをしない人には、共通する習慣があります。それは記録することです。

メモをする人とメモをしない人の違いは、習慣にあるのかもしれません。メモをする習慣を身につけてしまえば、ミスが激減し、仕事の段取りがよくなります。一方、新人は仕事を任せられ信頼を得るまでには一朝一夕で成し得ることはできません。ですが、小さな約束を守り続けると、やがて「あの人に任せて安心」と思ってもらえるようになります。


5.ホウレンソウ(報連相)

若手社員が「報連相」を知らないかというと、それは違います。

その「報連相」という言葉は、新入社員研修にも出てくるワードなので、知ってはいるのです。ただ、具体的に何をどうしたら報連相になるのかは、明瞭ではないと思います。実はそれは若手社員に限った事でもないと、感じています。若手社員が報連相をしない理由があります。

 ①報連相が重要という認識がない

 ②報連相のやり方がわからない

 ③報連相は仕事だと思っていない

上記のような「意識」「スキル」の問題もあれば、もう一つこんな現場の声もあるのです。

 ④タイミングがつまめない

 ⑤上司に対する苦手意識がある

 ⑥上司との人間関係が出来ていないので話しにくい

「人間関係」というハードルが高そうですね。報連相を受ける側も、「受ける義務がある」と考える事が必要なのです。つまり、部下にどのように声をかけるか、を考えて行かなくてはなりません。環境ができていれば、行動はしやすいものです。そして、もう一つ

 ⑦マイナス要素(失敗や仕事の遅れなど)の報告をしたら怒られるので怖い

という理由もあります。

受ける上司の「スキル」も問われています。報連相は若手社員に対してだけ望むものではありません。会社やその現場が一つになって、「機能させていこう!」という意識をもつことがスタートです。

互いに報連相を機能させやすい「人間関係」を創っていこうというベースも心に刻みたいものです。以上、5つの基本を上げましたが、何事も経験を積むことによって会得するのであって、一度教育したからと言ってすぐに身につくものではありません。


先輩や上司の適切なタイミングでの声かけや、フォローが行えるような育成方法を獲得していただきたいと願っています。

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