現場を支える中核人材の育成が急務

ものづくり企業では、生き残り策として競争に打ち勝つ技術力の向上と、現場を

支える人材の育成が課題となっています。

生産にたずさわる人材には、技術や技能伝承だけでなく、品質、コスト、生産管理

などを核としたトータルな知識・経験が求められています。

ものづくり企業の成長を図る上で、現場を支える中核人材の育成が急務でです。しかし、人材育成は必要性を感じつつも、思うように実施されていません。


1.意識改革の必要性

 忙しいから、自分の仕事の権限外だから、管理層が動かないから・・・ このような理由で問題が放置されているというのが、一般的な中小製造業の 実態です。それを乗り越えていくためには意識改革も必要になって来ます。

 社員の意識改革によりモチベーションを高めるには、経営トップの方向性 を社員全員に明示する必要があります。3年後、5年後の会社のあるべき姿 とそのために必要となる人材像の明確化です。

 ・日常業務以外にも、必要なことには、時間を割かなければならない

   (作業改善、再発防止、部下の育成など、自らの役割を自覚する)

 ・問題が起こったら、現場の関係者の知恵を結集して解決に当たる

   (他人のせいにして、放置してはいけない)

 ・現場を明るく活気あるものにするための「よい風土づくり」を率先して行う

   (コミュニケーション、ルール順守の率先垂範)

 ・世の中の必要な情報を収集、研究して仕事の改善に生かしていくこと

   (自らが会得した知識や経験を積み上げ自己成長を図る)


2.4つの基本の習得

 現場力とは「課題を発見し、その課題に対して解決の道筋をたて、その道筋に 沿って部門を超えた連携ができるということ」と定義する。(ものづくり白書) そして「プロ人材」の考え方・行動の基本は以下の4項目に集約されます。

 ①品質管理の基本

  旧来の守りの品質管理から脱皮し、攻めの品質管理手法の導入 

 ②生産管理の基本

  多品種少量生産で生産性向上を図る管理手法の導入

 ③日常管理と再発防止の基本

  4M管理、情報伝達ツール、問題解析・再発防止手法の導入

 ④継続的現場改善の基本

  ボトムアップ・トップダウン融合型改善活動手順の導入


3.生産性向上への取り組み

日常業務における最も重要な取り組みの一つとして「生産性向上」が上げ られます。

生産性を向上させるためにはさまざまなアプローチが考えられますが、まず 押さえておきたいのが無駄を省き作業効率をアップさせることです。製造現場 においては作業ミスによるやり直しや、作業手順が突き詰められていないこと が原因の無駄が必ず潜んでいます。


そのためには、現在どのようなプロセスで業務が行われているのかを「見える化」 し、無駄をつぶしていく自職場における「作業改善」を一つ一つ実施していくことです。「見える化」は、作業工程を細分化してそれぞれにかかる時間を計測したり、生産 出来高を数値化したりするなどのデータを集めることが重要です。製造現場に カメラを配置して、普段の作業の様子をモニタリングし、無駄を探していくのも有効な手段となります。


4.中核となる「プロ人材」の育成手順

 では、実際にプロ人材を育成するためには、どのような手順で行って行けばいいでしょうか?概略以下に示す通りです。

「トップの方針の明示」⇒「意識改革」⇒「品質管理・生産管理の基本」⇒「日常管理と再発防止への実践」⇒「継続的改善活動の実践」

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