中小製造業のとるべき2つの競争戦略

下図に示す「スマイルカーブ」とは、製造業の工程を『上流の商品開発・設計』『中流の製造』『下流の販売・サービス』と定義すると、上流と下流に付加価値があり利益が得られるが、中流の製造工程は付加価値が低く儲からないとする論理です。


スマイルカーブは、現在では製造部門を持たないアップル社のスマホ戦略に例えられるように、部品や組み立てコストを安く抑え、完成品を高く販売することで莫大な利益を得ていることで実証されています。

しかし、同じことが、日本の中小製造業の戦略に当てはめることができます。それは日本が営々として築いてきた優れたものづくりをベースに世界と勝負する以下の2つの戦略です。

戦略1:徹底的な省人化・自動化を推進すること

最先端IoT、デジタル技術の導入は必須条件であり、これら人材・設備の投資によって企業体質の劇的な変革と、生産性を向上なくして日本の製造業に未来はありません。


戦略2:スマイルカーブの上流と下流を攻略すること

アップルの例でも、日本の精密部品は確かに優秀でシェアーは高いことは事実でも、部品トップメーカーの売り上げ規模は最終製品を販売するアップルの数十分の一に留まっています。

今までの積み重ねた熟練技だけでは日本の中小製造業に未来がないことは明白です。スマイルカーブを再認識し、徹底的なデジタル化の推進により、生産を効率化し、優秀な人材の(アナログ的)熟練技術を、上流と下流へ集中すること、そして究極は上流の商品開発・製造技術開発の強化こそ中小製造業の未来が開けてくるものと断言できます。つまり、デジタル化と、アナログ的熟練技の双方の相乗効果により差別化を図っていくことが求められているのです。



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