中小製造業のマーケティング戦略

多くの中小企業は下請け体質から脱却し、マーケティング戦略により、独自の製品を開発して販売したいと考えています。

しかし従来型の職能組織(工程別組織)となっていますが、これでは脱下請けは難しいと考えられます。職能組織を戦略組織に転換することが必要です。つまり、受注したモノを作る組織から、顧客が何を欲しいかを自ら積極的に情報を集め分析し、最も要求に合ったモノやサービスを提供することができる組織です。


例えば、顧客別プロジェクトによる、営業・技術一体となったマーケティング戦略の企画・実行チームの結成です。最新設備を持てば受注がついてくるという従来からの発想はまったくの逆で、顧客のニーズを吸い上げるマーケットインの思想が必要になってきます。


マーケティングのあるべき姿は、コトラーのSTP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)戦略です。

市場の細分化(セグメンテーションを行い、そのセグメント情報から、自社の得意分野を生かすために、大手とバッティングしないニッチ市場を探すターゲティング、さらにポジショニングでは、ターゲット市場におけるライバル企業に勝る独自性・優位性が発揮できるマーケティングミックスを策定します。

また中小企業白書(2020年版)によれば中小企業の場合の競争戦略は、差別化集中戦略またはコスト集中戦略を取るべきです。

差別化集中戦略とは、差別化商品をある特定の市場で販売する戦略の事です。大企業が進出しない狭い範囲の市場をターゲットとします。

コスト集中戦略とは、商品の差別化が難しい現在では、低価格をもって、狭い範囲の市場へ商品を投入する戦略です。

以上の2つの戦略をうまく組み合わせながら、マーケティングを行っていきます。


マーケティングミックス(マーケティングの4P)とは

①製品化計画(PRODUCT)

②価格戦略(PRICE)

③販路開拓(PLACE)

④販促活動(PROMOTION)

以上の4つであり、製品化計画では現状分析を行った上で、加工業から機能性部品製造、OEM製品の受注、自社製品の開発と進化していくことがひとつのパターンと考えられます。

価格戦略では、ライバルの少なさが価格競争に陥いることをなくし、販路開拓・販促活動では、ウエブを活用した戦略が有効となります。

中小製造業のマーケティング戦略が成功しない理由は、どうも従来からの御用聞き営業の習慣から抜けきらない、設備をそろえて受注のチャンスを待つという、設備至上主義から抜けきらないトップの固まった頭脳の構造にある様です。

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