塗装、メッキ、接着、圧着、圧接、溶接・ロウ付け、ハンダ付け、熱処理、アニール(焼鈍)、シンタリング(焼結)、鋳造・鍛造、製紙、製鉄などが特殊工程です。特殊工程で作られたものは、後から目視検査ではその良否の判定が難しいと言う特徴があります。 後から検査ができない工程については、仕事のやり方(製造条件)が正しいことを証明しなければなりません。これが証明できない限り、良品とは判断できないのです。これを工程の「妥当性確認」といいます。
例えばメッキ工程では、以下のような工程で妥当性を確認します。
●酸洗
めっきされる鉄鋼製品の表面に付着しているさび、スケールを塩酸にて除去し、鉄素地を露出させます。(洗浄の手順、塩酸濃度)
●フラックス処理
酸洗後のさびの発生を抑え、鉄と亜鉛の合金反応を促進させるため、加熱した塩化亜鉛アンモニウム水溶液(フラックス)に浸けて、素材表面にフラックス皮膜を形成させます。(作業手順と加熱温度管理)
●めっき
前処理工程を終えた製品を約450℃の溶融した亜鉛浴の中に浸けてめっき皮膜を形成させます。めっき素材の材質や形状寸法などに応じて最適のめっき条件を選択します。(メッキ液の濃度、温度等の条件管理)
●冷却
めっきされた製品を温水で冷却します。この冷却によって、鉄と亜鉛の合金層の成長を抑えます。 (冷却温度管理)
●検査
外観、付着量、密着性などについて厳重な検査を行うとともに、めっき製品の数量チェックと計量も行います。(メッキ厚膜管理)
赤字は、妥当性確認が必要な内容を示します。特殊工程は、工程の確立、遵守とともに、妥当性確認の記録(エビデンス)を残しておく必要があります。
0コメント