トレーサビリティー管理とは、不良が起こった時だけではなく、過去の管理表を見れば「どんな変化点がいつ発生したか」をすぐに把握できる管理方法です。
トレーサビリティ管理は、製品製造における原材料使用実績、製造工程実績、検査実績等を蓄積し、その製品の原材料ロット、工程の処理実績を追跡し、同じ原材料の使用または同じ時期に工程処理された製品の把握を可能とすることです。
最近の品質意識の高まりにより、トレーサビリティー管理の要求が増しています。自動車部品、医薬品、医療機器、加工食品など、人の健康や命に係わる製品や部品において、一つ一つ異常がないか検査を行ったり、部品一つ一つにロット番号を付与し、記録する管理が行われています。
近年では、小さな不具合からリコールに発展する場合も多く、製造業においても消費者の安心・安全に対する意識は年々厳しさを増しています。特に、自動車の重要保安部品に関しては製造者責任が重く、もし、製品に欠陥や不具合といった品質問題が発生した際には、速やかに有効な対策を講じなければ、消費者はもちろん、取引先の信頼が損なわれます。トレーサビリティは消費者へ安心を届けるといった側面以外にも、企業や組織を守る自己防衛手段であるといえます。
トレーサビリティー管理は、実際の作業を行っている担当者にとって、かなり面倒な作業となります。
大手においては、大掛かりなトレーサビリティー管理システムや自動化設備を導入して機械がこの役目を担っていますが、中小企業では、人手に頼っているために、ポカミスも起きやすく、人件費も掛かります。
いかにお金を掛けずに、管理するか?が大きな課題となっており、中小ならではの管理体制確立が望まれます。
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