不良流出率10ppmは実現可能か

製造業の現場における作業ミス発生率はどれくらいでしょうか?作業ミス防止対策の限界はいったいどこにあるでしょうか?不良流出率10ppmを実現させることは可能でしょうか?


人は、適度な緊張感をもって仕事をしていても、1000回に3回、必ずミスをする。そのミスに気がつかず、流出させてしまう見落としのミスが、1000分の3ありこれを掛け合わせると100万分の9となります。この100万分の9がヒューマンエラーの限界と考えられます。

  3/1000×3/1000=9/100万回

ヒューマンエラーによるトラブルの確率を100万分の9以下にすることは極めて困難で、大量生産のメーカーの品質管理では、10PPMが品質管理の限界と考えられています。しかし、多くの企業は、数百PPM~パーセントの領域の発生率であると考えられまだまだ十分改善する余地があります。


そこで身近な例を示すと、かつて、ある大手車用品製造会社では、協力工場のランクを不良率でランク付けしA〜Eの5段階で評価を実施していました。

Eランクの協力工場会社は改善されなければ取引停止の処置がとられます。少なくともBランク(100ppm以下)を目標に工程の管理のしくみを構築しなければなりません。そこで協力工場では、50PPM以下を実現するため、工程上、様々な対策を講じました。さてどのような対策を講じたでしょうか。

この工場の例では、各工程の品質目標値を定め重点管理項目と、日常管理項目を決めて異常の監視と対策を講じています。全体の品質管理の流れを決めて、それぞれの部署で詳細な作業手順書を定めており、顧客受入不良を50ppm以下目標としています。 主な対策項目は以下の通りです。

 ①工程の中間で、機械又は人による検査を実施し、工程フィードバック

 ②毎日工程の巡回検査実施

 ③特殊工程認定作業者による作業、定期的に再認定教育実施

 ④工程ストップ条件と権限の明確化

 ⑤毎日不良率、不良内容、対策の実施を見える化

以上のように、当たり前のことの積み重ねとそれを徹底すること、それをどれくらい継続できるかに掛かっています。


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