全数目視検査は多くの労力を要し決して付加価値を生むわけではありません。
しかし不適合品の流出による損害を防ぐため、実施せざるを得ないと考える企業も多いと思います。
そこで、効率よく全数検査を行う方法を考えてみます。従来の検査方法では、人間の感覚と集中力には限界があり、また個人差も大きく影響するため、見逃しがしばしば発生します。
そこで、発想を変えて、不良個所を注視して見つける「中心視検査法」から全体を見て良品を判定する「周辺視検査法」の採用を検討します。
「中心視検査法」は「集中力」による「不良探し」であるため、長続きせず見逃しの大きな要因であることから、この考え方を捨て「良品の確認」と「リズム」を基本とした「周辺視目視検査」に切り替えます。それは人間の違和感を活用した、瞬間(無意識)に判断をする能力を検査に適用する方法です。
周辺視目視検査はスピードが速くて作業者の負担が少ないため、全数検査では有効な方法です。ただし作業者の熟練度による差が大きい欠点があるため、定期的な訓練によって検査精度を一定水準に維持していく運用方法となります。更に、検査員の姿勢、照明や騒音などの検査環境の配慮が必要になります。また、一定の検出力を保つために健康管理、視力アップトレーニング・脳トレなどを併用した総合的な検査見逃し対策が求められます。
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