東京電力の河野氏が提唱するm-SHELモデルは、ヒューマンファクター工学の概念をわかりやすく説明したものです。
このモデルは、元々、「SHELモデル」として、1975年にKLM航空のFrank H.Hawkinsが提唱したものであり、その後、さまざまな派生モデルが提唱され、SHELモデルに m : Management (マネジメント)を独立した要素として衛星の状態として配置したm-SHELモデルが提唱されました。
SHELモデルに「マネジメント」を周回させることにより、全体の要素・環境を適切に運用することを意図しています。
m-SHELモデルは作業する人を中心に、その周りにある要素(ハードウェア、ソフトウェア、環境、周りの人)を表したものです。
その内容は以下の通りです。
L:Liveware(中心のL)本人
身体的状況、心理的・精神的状況、能力(技能・知識)
H:Hardware ハードウェア
マシンインターフェース、機器の設計、機器・配管の配置
S:Software ソフトウェア
マニュアル、手順書、教育・訓練用教材、
E:Environment 環境
作業環境(照明・騒音)、 作業特性(非定常作業、起動・停止作業)
L:Liveware(下のL) 周囲の人
コミュニケーション、リーダーシップ、チームワーク
m:management 管理 組織・体制
職場の雰囲気づくり、安全文化の醸成
m-SHELモデルのポイントは、中心に人間を置き、それぞれの要素が中心の人間と隣接して表現されており、隣接する要素同士がうまくかみ合っていないとヒューマンエラーが発生しやすくなることを表しています。
作業の複雑化、人材不足が叫ばれる昨今では、訓練や教育一辺倒で対応することは困難であり、機械の操作や、物事を判断する側に立って、人が間違いにくい、作業環境を整えていくことが重要です。
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