ヒューマンエラーの要因を分類する方法は様々解説されており、当研究所においても、製造業に当てはまる分類方法について、試行錯誤を繰り返して来ました。
そこで人間も、機械もインプット・処理・アウトプットのプロセスからなる処理システムとみなし、ヒューマンエラーの要因を考えてみます。すことができます。人間は、機械と違って臨機応変に判断力を駆使して、対応が可能ですが、反面ミスを犯しやすいという欠点があります。
この図は、プロセスモデルによるヒューマンエラーの要因を表しています。
機械に置き換えられない人間の手作業は、ミスが起きにくくするように、プロセスを正しくコントロールすることと、変動要因をなくすことがミスを少なくすることにつながります。 従ってミスをした作業者を特定し処罰するのではなく、ミスをした内容を調査しミスの背景に潜む原因を特定することが大切です。
大量生産時代には、ひたすら作業者を訓練し、ミスを犯し易い作業はポカヨケ冶具製作などを中心に対策を行ってきましたが、現在では多品種少量生産に於ける4M変動管理に代表されるように、ものづくりの環境変化によって、その要因も直接作業より、間接作業に重点が移ってきました。
ヒューマンエラーの要因として以下の4種類に分類できます。
①情報要因
・口頭で伝達された内容を聞き違える(伝達手段・内容の問題)
・内容を先入観で聞き違える(正確に理解し判断する意識が薄い)
・無視(情報を無視し、自分の判断で処理する)
・情報無し、遅い(情報の発信元の問題)
②教育訓練要因
・教育・訓練の絶対的時間の不足
・背景の教育不足(なぜそうするのか)
・教育ツール、方法の問題
③ハード要因
・外部PSFの問題(温湿度・照明などの作業環境の悪化)
・機械、治工具などの故障、欠陥
④ソフト要因
・やりにくい作業(人間工学上、手順上)
・勘やコツを必要とする作業
・組織風土要因(指示命令系統が曖昧、ルール違反の日常化)
ものづくりの環境変化によって、ヒューマンエラーの要因も変化が生じています。 ポカヨケなどのハード対策に注目するだけでなく、品質管理のしくみ上の問題と捉えて解決を行っていくことが求められています。
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