ISO9000を取得し、運用しても製品品質が向上しない、本当に役にたっているか怪しい、全体的に“やらされ感”が蔓延しているというような考えを持っている人は多いと思います。また、ISO9001:2015に切り替わると、その傾向がもっと強くなるのではないかと危惧されます。
徐々に現場の「品質管理活動」が衰退していく原因の一つに、この品質管理の”やらされ感”があると考えられます。
以前のバージョンの9001:2008 の構成は以下のようなもので、製造業を強く意識させます。
6.3 インフラストラクチャー
6.4 作業環境
7 製品実現
7.1 製品実現の計画
7.2 顧客関連のプロセス
7.3 設計・開発
7.4 購買
7.5 製造及びサービス提供
7.6 監視機器及び測定機器の管理
8 測定,分析及び改善
私は、ISO9001:2015によって、製造現場から離れ、より経営品質に近づいたISO 9000:2015の品質管理とバランスを取るため、製造業に於いては、ISO 9001:2008 の考えを一部取り入れて「現場品質向上のしくみ」を残すべきと考えます。
製造プロセスを規定するのはQC工程図、業務マニュアルなどとそれを守るしくみです。まずこれをしっかり固める事が必要です。問題が発生したら、物事を三現主義で捉え、因果関係の究明と、しくみの不備を直していく2段階の対策を行っていくことで、トラブルを未然に防止する現場のプロセスを作り上げ、理想に近づけて行きます。
この事は現場の責任で独自に進めなければならないのです。(ボトムアップ活動)「何かトラブルが起こりそうな場合、その予兆を計りトラブルが起こらないようにするシステムの構築」まさに、この事が、求めている「品質管理活動」そのものです。
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