工場で発生する不良は、原因究明を行って対策を実施します。
しかし往々にして、対策内容が不十分となって、再発します。このような対策はモグラたたき対策と呼ばれます。
モグラたたき対策となる原因は、対策すべき内容が不十分であり、どこかに対策の漏れや、不十分な点があるからです。不具合が発生する因果関係は一つですが、品質管理の原因は複数あることに注目すべきです。
不良分析マップは、不良原因(品質管理上の)を漏れなく検討するためのツールです。列方向に、工場の受注から出荷までの工程を、行方向に「人」「方法」「情報」そして「組織風土」の原因をマトリクスとして、そこの当てはまる原因の候補が記載されています。
発生した不良の原因究明を行うには、下記の通り不良分析マップ上に、発生した不良の要因をマトリクスの該当する箇所に記載します。
下記の例では、製造工程の人による作業ミス、製造工程の方法で、作業指示書に不備があったことを示しています。
また、検査工程では、外観検査を実施していたが、この不良は検査では検出できない不備があることが分かりました。しかし、よく考えてみると、製造準備段階の検証作業が不十分であることも原因ではないか?ということが分かってきます。
上記で検出された不良内容に対してすべて対策を講ずることによって、この不良の再発防止が図れます。一つでも対策内容が不備であれば、同じ不良が再発する可能性があることになります。
製造工程のミスに対して作業者へ注意する、教育を行う、検査基準書を見直すと言う対策だけでなく、製造準備段階の「試作時の検証」方法を見直すことによって再発防止を確実にするだけでなく、他の製品への「水平展開」も図ることができます。
もし、すべてを対策しても再発するのであれば、2項の原因究明が不十分であると考えられ、他のマトリクス上の原因を見逃していることになります。
不良の原因究明、対策方法は様々な手法が提案されていますが、視覚的に漏れを防ぎ再発防止が確実に図ることができる不良分析マップ法は有効な手法と言えます。
不良分析マップ法は、各製品毎の工程に基づいた不良分析マップを漏らさず正確に作成することが最も重要なポイントとなります。
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