4M管理とは、人(MAN)機械(MACHINE)方法(Method)材料(MATERIAL)の4種類の頭文字をとったもので、工場の生産活動において、重要な要素と位置づけられます。多品種少量生産においてはQCDを確保する上で特に重要となるのが
4M管理です。
1.4M管理の目的
そもそも、4M変化点管理を行う目的は何でしょうか?不良が流出し、お客様から指摘を受けて4M管理をどのように行なったら良いのか?悩んでいる企業も多いと思います。
しかし、お客様から指摘されるまでもなく「不良を流出させないために」品質管理を行っているのです。が、往々にして「もぐらたたき」になってしまい、後手、後手の対応になりがちです。不具合の発生を未然に防止するにはどうしたらよいか?それには、機械の保守点検を実施する、ポカヨケ治具を準備する、作業者教育するなど、モノを生産する前に万全の策を講じます。(工程設計・製造準備における予防対策のしくみ)
そして、モノの生産が始まったら、不良が出ないように、決められた手順、決められた方法(QC工程図・作業標準書)で整然と作業を行います。ところが、整然とした作業を乱す、様々な要因が発生します。そのきっかけとなるのが、変化点です。いくら予防対策の仕組みを万全に講じたQC工程図に従った作業を行なおうとしても、生産現場では、変化点がきっかけとなって不具合が生じてしまいます。
様々な変化点が生じても不具合が生じないように管理を行うことを「4M変化点管理」「4M変更管理」などと呼びます。
変化点管理は、予防対策とも捉えられますが、もうすでに生産が始まってからの管理なので、厳密には予防対策とは言いません。(予防対策は生産を始める前に工程設計段階で講ずる処置のこと)この予防対策で防ぎきれない項目(予防対策の不備や対応対象外)を製造現場で、不具合が発生しないように日常的に管理すること、これが4M変化点管理の目的です。特に、多品種少量、受注生産を行っている工場に於いては、最も重要な管理項目となっています。
2.4M管理の2つの管理ポイント
4M変化点管理の位置づけと目的が明確になったら、次に自社の工程で何を管理すれば不具合が発生しなくなるのか、項目を抽出して管理方法を決めます。当研究所が考える4M管理の中心となる実務手法は、日常業務において不規則に発生する「変化」を察知し、影響が広がらないように「異常管理」と、あらかじめ予期できる変化「変更」に対して漏れがないようにあらかじめ手順を決めて実施する「先手管理」です。日常業務において、この2つのことを押さえておくことで品質は格段に上がると考えています。
3.4M管理の手順
①異常を定義する
何を異常と定義するか点検項目、手順、判定基準を明確にします。これは、先手管理を行うために、自社の今までの実績や経験から、抽出すべき内容であり、世の中で決まっているわけではありません。異常が発生するのは、何らかの変化が生じていると考えられるので、それを突き止めて対策を講じます。
②重要度を決める
すべてを均一に管理することはできないので、重要製品、重要寸法、重要工程などを決めて点検点・管理点を定義します。重点管理では、一般の管理とは異なり、異常の監視周期の頻度を上げる、工程の点検項目・品質特性の監視項目を増やすなどの管理方法を取り、異常を漏らさず検出します。
③予測可能な変化点の定義
あらかじめ予測ができる変化点発生時の管理を明確にします。設計変更、工程変更、段取り替え、人の交替など、それぞれに応じて①、②を適用します。
④突発的に発生する変化点の定義
予測できない突発的な変化点発生時の管理を明確にします。停電、不具合発生による作業中断、機械の故障など、それぞれに応じて①、②を適用します。変化点管理は、日常管理の大部分を占める重要な管理であり、管理監督層は「異常」「重点項目」「予測できる変化点」「予測できない変化点」など、管理方法について、明確に答えられるようにしておかなければなりません。
変化点管理ボードは以上のような管理手順を明確にした上で、何を表示するのかを決める必要があります。
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