QCストーリーは、問題解決型と課題達成型の2種類があります。
しかし、品質管理の目的は、業務の中で問題の発生を未然に防ぐための活動を行うことです。 従って、QCストーリーは課題達成型を採用し、QC七つ道具も未然防止のために使うことが前提となります。品質管理というのは「改善するためにデータを取ってグラフやパレート図を描く」のではなく、改善するかどうかに関係なく日常的にデータをとって異常を見つけたら直ちに対策し、問題が拡大しないように管理しなければなりません。
従来実施されてきた改善活動のように、改善しよう → テーマを決める → それにはパレート図が必要 → だからデータをとるという活動であってはならないのです。 多品種少量生産では、瞬く間に生産が終わってしまうので、すぐに対応するというスピード感が求められます。日常の問題は、パレート図を書くまでもなく、その日のうちに解決に向けた動きを開始するのが本来の姿です。
不良データを収集し分析する結果管理ではなく、不良を出さないよう、未然に対策することが、これからの品質管理には求められているのです。
例えば
特性要因図は1960年代に石川馨氏よって開発され ました。特性要因図は、QC7つ道具のひとつで、魚の骨格に似ているため、フィッシュボーンダイアグラムとして海外でも知られています。
①クレームなど製品の品質特性に関連する要因を列挙する
②求められる製品の品質特性を得るため、管理すべき要因をすべて列挙する
など因果関係を明らかにするためのツールとして用います。
かつて、QCサークル活動が活発に行われていた頃、一度は作成された方は多いと思いますが、今の若い社員は知らない人も多くなっています。
不良(品質特性が規格外)などが発生した場合に、その考えられる要因を列挙して、その中から原因を特定します。その場合、不良現象(不良特性)を頭に、要因(原因と考えられる項目)を列挙します。列挙する場合に漏れが無いように、例えば工程の4Mまたは5Mに分類し、それぞれを太骨にし、それぞれの要因を小骨で表します。
解析ツールとしては、必ずしも特性要因図のフォーマットにする必要はなくツリー状の系統図に表すことがあります。
QC工程表は、工程の管理項目が工程順に漏れなく列挙された一覧表を指します。
管理する項目を5Mに分類して、漏れなく列挙します。この時に、特性要因図を作成する時の考え方を適用します。つまり、工程の一つ一つは特性と要因で表されており、工程の設計を漏れなく行うためのツールとして使用します。 トラブルの原因調査とは逆に、品質特性を得るために、規定しなければならない管理項目をすべて列挙することが必要になります。
このことが工程設計であり、予防処置のために特性要因図を応用していると言えます。
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