品質管理を実施している工場では、発生する問題について、ルールに基づいて原因を究明し、ルールの不備を指摘し、見直しを行い、徹底させること。これが本当の意味の再発防止対策のことなのです。
以下のフローは、ルールを基準にして原因を究明し、再発防止策を講ずるための手順を示しています。製造工程で発生する問題は必ず、その作業や業務に関係するルールがあるはずです。具体的には業務フロー、業務手順書、チェックシート、作業手順書などが該当します。
しかし、ルールがなかったり、表現があいまいだったりします。また、ルールはあるが、ルール通りに作業しても、問題が発生することもあります。 ところが、問題が発生するのは、ルールを知らない、理解していない、もっと悪い例はルールを守る意識が薄い場合もあります。なぜルールを守らないのか?そのような工場で発生する問題の対策は、
①治具を作成した、
②測定機を購入した、
③ラベルを貼り、わかりやすい表示を行った、
などの目に見える物理的な「処置内容」を対策(再発防止策)と考えています。ルールなどまるで眼中にないのです。 正しくは、
①量産試作手順書において、治具が必要かどうかの検討項目が抜けていたため記述を追加し、関係者に周知した。
②設備管理規定にて、測定機の必要数を定期的に見直すことになっていたが、責任部署の記載がなかったため、定期見直しが実施されず、測定機が不足していた。責任部署を記載し、定期見直しの徹底を図った。
③部品のラベル表示は、5Sルールで決められている。しかし、この部品の担当者は自分でラベルは不要と判断し、貼り付けなかったため異部品が混入した。 担当者に対し、5Sルールを再教育し、守るように徹底を図った。
まず問題が発生したら、現場の管理監督層は、どこに、どんなルールがあり、それが守られているのか?守られていないのかをまずチェックしてみる必要があります。
ルールの見直しと、運用の責任は現場管理者、監督者が行うべきです。
ルールが徹底できないという前に、自らが職場を巡回し、ルールが守られない原因を突き止めルール徹底を図るためにどうすれば良いかをよく考えるべきです。
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