商品開発の流れは以下の通りです。
具体的な設計の進め方は下記手順書を参考に願います。
★新製品開発・製造立ち上げ手順(メカトロニクス設計編①)
https://perfectmanual.themedia.jp/posts/21869427
1.アイデアの創出
社内の各部門や取引先等から新商品のアイデアを収集し、消費者にヒアリングする。
2.アイデアの絞り込み
自社の経営コンセプトや実現可能性、市場性の面から価値あるアイデアを絞り込む。
①クロスSWOT分析・・・中小製造業としてのSWOT分析
②市場調査・・・クラウドファンディング
③ターゲット、商品の絞り込み
中小の場合は差別化集中戦略/コスト集中戦略(2020中小企業白書参照)
絞り込まれたアイデアをもとに商品開発プロジェクトを立ち上げる。
3.事業性分析
顧客の利用目的や市場での位置づけなど商品のコンセプトを明確化する。
コンセプトに基づいて、マーケティング戦略立案(マーケティングの4P)
①商品、パッケージやネーミング
②価格設定
③流通経路の検討・・・直販、量販店、代理店、ノベルティー
④販売促進の検討・・・インターネット、SNSなど複数媒体活用
新商品の売上、原価、利益をシミュレーションし事業が成り立つことを分析する。
4.試作品の開発(プロトタイプ)
試作品を開発し、品質・安全性・生産性・使用感を比較検討する。
5.テストマーケティング
実際の使用状況もしくは販売状況に近い地域や客層で商品をテストし
価格設定や販売促進策を見直す。
6.商品化
適切な時期に商品を市場に導入し、プレスリリース・販売促進・ブランディング
を行う。
◆新製品立ち上げ失敗の原因
新製品立上げの失敗例は枚挙にいとまがありません。
上記のように開発が順調に進むことは100%ありません。
特に設計から製造に移る段階で、様々なアクシデントに見舞われます。
その主な例を4つ上げてみます。
①設計不備
・量産直前まで図面を変更している(確認作業、納期に影響)
・製造を考慮しない設計(加工性・組立性、部品調達性)
・機能不良(機能欠陥、信頼性が低い)
②潜在不具合のレビュー不足(製造)
・工程能力不足(量産になって規格外品多発)
・生産性低い(設備能力、人員不足、外注対応力不足)
・ポカミスが多い(作業手順の確認漏れ、ポカミス対策不備)
③初品、初期流動管理不十分
・プロジェクト体制不備、責任部門不明確
・異常検出、異常処理フロー不備
④変化点管理不十分
・重要要因、重要特性の管理不十分
・ポカミス対策不十分
これらの原因に対応するには、設計不備を見抜き、改善提案を行うことそして、量産までの必要なステップを手抜きせずに確実に実施することが垂直立上げの近道なのです。
◆製造準備、工程設計のポイント
①製造設計のポイント
製造設計とは、設計された製品(仕様書、図面・・・)を実現するための設計
・工程系列、モノの流れづくり(内作/外作、製造ライン方式)
・製法、工作法、加工法の決定
・工程条件の設定(製造手順、点検点、管理点、検査点を定めたQC工程図)
・設備選定、設備開発(工程能力、生産能力、自働化)
・協力工場選定
②工程の機能設計と信頼性設計
・機能設計
設計仕様書、図面要求通りの機能を満足する5M条件の設定
(抜け漏れを防ぐため、設計レビュー(PR)を実施する)
・信頼性設計
人、機械など5Mの要因変動に影響を受けない製造設計
(設計が十分かどうか?工程FMEAで評価、確認する)
企業の生き残り策は新製品の迅速な市場化です。
垂直立ち上げ戦略は新商品の発売時点における高い需要に対して供給力を確保し、高価格での販売の機会損失を防ぐのに効果的です。それには、初品をスムーズにトラブルなく立ち上げる企業の「開発人材」の育成に掛かっています。
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