多品種少量生産工場に於ける標準化は困難が伴います。顧客ごと、製品ごとに異なる工程の管理をどのように標準化すればいいでしょうか?
多くの製品を扱う多品種少量生産型のビジネスモデルでは、いかに共通の設備や手順を使って効率的に多くの種類の製品をつくりだすか、いかに範囲の経済性を高めるかを追求することになります。 (少ない品種を大量に作って経済効果を得る方法を規模の経済性といいます)
■ 標準化のメリット・デメリット
(メリット)
【技術の蓄積】・・・個人が習得した固有技術を、企業としての技術として蓄積できる
【技術力の向上】・・・蓄積された技術を基礎にして、より技術力を高めることができる
【品質の向上】・・・安定した品質の製品の製造が可能
【仕事の進め方統一】・・・仕事の進め方が会社として統一でき部門間の連携が良くなる
【コスト低減】・・・材料のムダ、作業のムダが無くなりコスト低減が可能になる
【仕事の効率化】・・・仕事の効率化、生産性アップ、納期短縮化が図れる
(デメリット)
作成・メンテナンスに時間がかかる(特に多品種少量生産では)
周知徹底に時間がかかる
業務の実態とかけ離れてしまい、実際は使わない標準が出てくる
標準化すると個人の創造性を損なう場合がある
■ 標準化の進め方
そこで、業務の幅が多岐にわたる多品種少量生産工場における標準化はどのように進めたらいいでしょうか?
①考え方のプロセスを標準化する
②顧客、品種が異なっても共通業務、共通作業に分解して標準化する
つまり、製品や顧客が異なっても、それらを共通項目でグループ分けしてグループごとに標準を定めてやり方を統一していくことです。 具体的な方法が異なっても、考え方の共通点を見つけてそこを外さないように抑えていくことによって、業務も効率化し、ミスも減らすことが可能になります。
■ 仕事に役に立つ標準が備えるべき4つの”基本条件”
①誰もが、実行できること・・・現場の標準は現場で作ること
②誰もが、守りやすいこと・・・作業しながら使えるための工夫をすること
③誰にも、分かりやすいこと・・・フロー化、5W1H化
④標準が、常に改善されていくこと・・・定期的に見直し、陳腐化を防ぐ(PDCA)
「標準のないところに改善なし!」
作業手順や時間、作業方法など、作業標準がなければ改善できないだけでなく改善結果の判定もできません。標準は固定的なものではなく、改善されることが前提、標準作業が改定されるたびに改善がおこなわれます。
0コメント